今までの擁壁と
較べて下さい。
施工の単純化とスピード化
一般的にブロック積みや現場打ち擁壁は作業が極めて複雑ですが、「T型ブロック」による工法では、施工を単純化できるため、熟練工を必要とせず、工事をスピード化することができます。
工期の短縮
「T型ブロック」による工法では、基礎コンクリートの打設終了後、製品を計画の位置へ据え付け、鉄筋挿入孔へ鉄筋を挿入し、生コンクリート定着後に埋め戻すだけで工事が完了するため、工期の大幅な短縮を図ることができます。
製品の均一化
「T型ブロック」は、品質管理が行き届いた JIS 表示認定工場(兼)大臣認定工場で製造されるため、製品品質の保証された、非常に安全性の高い二次製品と言えます。
経済効果/敷地の有効利用
「T型ブロック」は、垂直に施工することにより、傾斜地においては擁壁数量を著しく減少できるため、所要経費を大幅に節約できると共に、用地の有効利用にも寄与します。
国土交通大臣認定製品
「T型ブロック Wタイプ」は、宅地造成等規制法に基づく国土交通大臣認定製品です。なお、認定条件の詳細(フーチング基礎形状を含む)につきましては、担当者までお問い合わせ下さい。
地上高さ(Wタイプ)
土質試験により、土質状況を確認した場合
T型ブロックWタイプ
施工全般
施工に当たっては設計時の計算における諸条件を十分理解し、現地の状況と照合し、計画を立てる必要があります。
特に、地盤支持力が不足する場合は、栗石等による地盤の改良、又は置き換えコンクリート等の施工により、地盤支持力を十分満足する配慮が大切です。
(図 1-1(a)(b)参照)
基礎工(フーチング基礎)
- ) 床掘により、設計図書に基づく十分な地盤支持力を確保することとし、必要に応じてクラッシャーラン等を敷き詰めて十分に転圧して、所要の均しコンクリートを施工すること。(図 1-1(c)参照)
- ) 設計図が尻下りになっている場合は、滑動抵抗を考慮して現地の地盤をほぐさないよう、正確に仕上げること。また、機械等で掘り過ぎた場合は、必ずコンクリートにより、所定の断面を得られるまで復元すること。(図 2-1 参照)
- ) 傾斜地に施工する場合は、現地の状況によっては「図 2-2」の「置換え部分」のような経済的な断面を考慮すること。
- ) 立ち上がり鉄筋は、必ず所定の位置へ正確、且つ十分に固定すること。また、曲線部または曲折部のアンカー鉄筋の位置決めは、ブロック全面から正確に 90℃ の線上へ位置するよう、専用の定規等を用いて決定すること。(注意)立ち上がり鉄筋は、コンクリートの打設時に動く恐れがあるため、溶接等で十分固定すること。
- ) 立ち上がり鉄筋の延長方向における所定ピッチは、1,000mm だが、施工時にブロック間に空隙を生じるので、「2〜3mm/標準型ブロック(2,000✕1,000)」の伸びを考慮すること。また、認定擁壁 Wタイプについては、所定の位置に防錆処理を施すこと。
- ) コンクリートの打設に際し、基礎ブロック据付の所定の位置に 凹 部を必ず設けること。ちなみに、厚さ 2cm 程度の発泡スチロール板を適宜の寸法に切断して使用すれば、便利です。
- ) 設計図に基づき、鉄筋を組み立て、型枠を施工し、所定のコンクリートを打設する。この時、コンクリートの設計基準強度は、24N/m㎡(認定擁壁の場合は、30N/m㎡ 以上)とすること。
- ) 基礎延長は 20m 以内で縁切りし、エラスタイトで処理すること。
T型ブロックの擁壁築造手順
ブロックの築設
- ) 築造にはクレーン車を使用し、通常の場合は、特殊作業員 2〜3名程度、普通作業員 4名程度で実施する。
- ) ブロックの吊り込みは、吊り金具を使用する。
- ) 根石の据え付けは、フーチング基礎に設けた立ち上がり鉄筋に合わせて据え付ける。この場合、根石の上面に水糸等を張り、高さを調整する。また同時に、法勾配が設計に合致するよう、ライナープレート等を用いて施工する。
- ) 根石が完了したら、2段目まで積む。
- ) 2段目(又は 3段目)を構築した後、ポスト鉄筋を上から挿入し、生コンクリートを注入する。この場合の生コンクリートの設計基準強度は 30N/m㎡ 以上とする。
- ) 鉄筋挿入孔へ重鎮する生コンクリートは、ポスト鉄筋挿入後、振動機等により、十分締固めする。
- ) 擁壁背後の埋戻しは、生コンクリート設計基準強度の 70% 以上に達した後に行なうこと。
- ) 排水効果を高めるため、背面側に厚さ 30cm 以上の栗石、又は砂利を充填するか、耐久性の高い透水マット等を水抜き孔を結ぶよう最上部から最下部の孔までブロックの背面に沿って設ける。また、水抜きには、排水フィルターを付ける。
- 鉄筋の仕様は、設計図書に従って下さい。
- 空洞部分が発生しないよう、棒バイブレータを掛けて下さい。
- 生コンクリートは下げ目に入れて下さい。
控え壁 中詰め材料の容量
T型ブロック Wタイプ 1㎡ 当たりの控え壁 詰めコト量(㎥)
埋戻し
- 埋戻し材料
埋戻し土は、特に現場発生材を時は、設計条に合致した出来るだけ良質な材料を選別して用いること。
- 敷均し
埋戻し土は、小型ブルトーザーや人力により、一定の厚さ、且つ平坦に敷き均す。
- 締固め
締固め箇所に最適な機材を使用して、各層毎が均一に所定の密度となるよう、締固めること。
- (1)仕上げ層は 30cm/層 以下とすること。
- (2)締固めの基準は下記の通りとする。
- 『住宅・都市整備公団施工管理基準(平成 7年 5月)』による。
- ① JIS A 1210(突固めによる土の締固めの方法)が定める最大乾燥密度の 85% 以上に締固める。
- ② 基準となる最大乾燥密度を決め難い土(各種の土が混合し、その割合が変化する場合や、試料の乾燥程度により最大乾燥密度や最適含水比が変化する土等)及び施工含水比を、上記 ① が定める範囲に調整することが困難な土の場合は、空気間隙率 2〜15%の範囲に締固める。
- 締固めの機械
使用する機械は、締固め箇所に最適な機種を選定する。
- ① 擁壁底版上部(本製品の控え部分に囲まれる部分を除く)の埋戻し土を転圧する場合は、自重11トン級以下の自走式タイヤローラー、又はブルトーザーを使用する。
- ② 製品の控え部分に囲まれる部分の埋戻し土を転圧する場合は、自重 1t未満の小型振動ローラー、又は振動コンパクター等を使用する。
- 埋戻し留意点
- ① 擁壁のポスト鉄筋挿入孔への打設コンクリートの強度が十分発生していることを確認し、擁壁が損傷を受けないよう、注意すること。
- ② 雨水や地表面水の排水には、十分配慮すること。また、透水の多い箇所については、止水板等の処理を講ずること。
- ③ 埋戻し土は、大きく固結したものや、多量の水分を含んだものは使用しないこと。
- ④ 透水層を正確に確保するよう、十分配慮すること。